SSブログ

お鷹ぽっぽ [山形・米沢の件]

スポンサーリンク



 っというわけで、また少し前の話で恐縮であるが、またまた日本テレビの「秘密のケンミンSHOW」からの話題をひとつ。

 今回は「北広島町周辺に住む広島県民は、春になると山で『バカの芽』を採って食べる!?」というのが紹介されていた。ちょうど我が家でも食事中で、そろそろ今年は終了の「ウコギ」を楽しみながら見ていた。どうも紹介されている「バカの芽」とは「コシアブラの新芽」のようである。「へ~広島でもコシアブラ食べるんだ。」と思いながら見ていると、「コシアブラ」は全国的に分布し、東北地方や中国地方では山菜として食べられているようである。

 個人的には「タラの芽」より、お浸しにも出来る「コシアブラ」のほうが好きなのではあるが、食べるようになったのは最近のような気がする。最近といっても30年は前のことであるが、その頃「コシアブラも食べられるらしい。」という情報を得たような気がする。親は知っていたかもしれないが、あまり食べなかった。というのも、地元の米沢ではコシアブラには「食べる」以外に立派な利用方法があったからである。それが「お鷹ぽっぽ」である。

おたかぽっぽ.jpg
切手にもなってます。

 全国的にも有名なので知っている方も多いと思うが、コシアブラの木を削り出し作るのが米沢の伝統工芸品「お鷹ぽっぽ」=「笹野一刀彫」である。本来であれば、鷹をモチーフにしたものを「お鷹ぽっぽ」と呼ぶのであろうが、ニワトリ、ふくろうなどのものも、「お鷹ぽっぽ」と呼んでいたと思う。市の中心からから約5キロのところにある笹野観音で有名な、笹野地区の特産で、サルキリという独特な刃物一本で彫り上げることから「笹野一刀彫」と呼ばれている。

 米沢で小学校時代を過ごしたのであれば、遠足や社会科見学などで、実演を見たことがある人がほとんどだと思う。また、鉛筆の後ろをお鷹ぽっぽを真似て削ったことのある人も居るのではないだろうか?茶だんすやサイドボードの中に1つや2つあったと思う。最近では都内でも、デパートの物産展などで実演が行われたりしている。

 そこで、この「笹野一刀彫」の歴史的な背景をちょっと調べてみると、またもや上杉鷹山公が登場する。鷹山公が農家の副業として奨励したという記録があることから、少なくとも200年以上の歴史を持っているらしい。さらには、笹野観音堂の創建当時から伝わる、火伏せのお守り・縁起物とということもあり1000年以上の伝統があるともいえる。個人的には、鷹やウサギ、ニワトリなどをかたどったもの以前に、「笹野花」と呼ばれるものが存在し、季節により生花を調達できないための造花として重宝されたと記憶している。(ただし、ネット上の情報では、明治初期、仙台発祥ということになっている。)

 ちなみに、今回主役のコシアブラも、メジャーなタラノキも、マイナーなウコギも、まるっと全部ウコギ科である。春はだいぶ「ウコギ」なやつらの世話になっているようである。

 ところで「バカの芽」「バカの木」の由来についてであるが、番組内では、製鉄用の木炭として使えない「邪魔な木」と紹介されていたが、摘んでも摘んでもバカのように新芽が生えてくる、という説もあるようだ。個人的な意見として、木を折ろうとしても、しなやかなので全く折れない、というのも新説として挙げておきたいと思う。この性質が笹野一刀彫の素材として最適だったのだから。

 そして、米沢笹野地区については機会があれば。


スポンサーリンク



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。