SSブログ

カテーテルアブレーション~その3 [病院]

スポンサーリンク



またまた、カテーテルアブレーションの続きである。
ところで、2度も受けたカテーテルアブレーションとは何ぞや?といった説明を全くしていないことに、今更ながら気が付いてしまった。今回はその説明から。

などと言っておきながら、詳しくはカテーテルアブレーションで検索してもらうとして、ざっくりと。

カテーテルアブレーションとは、カテーテルという直径2mm程度の細い管を、足の付け根などの大きな血管から挿入し、それを心臓まで進め、心臓内部の余計な電気信号が走る部分(不整脈発生部位)をカテーテルで焼き切って(焼灼して)しまおうという治療法だ。ん~ザックリ。

人によっては「心臓の中まで針を押し進めるなんて」と恐怖を感じる人もいると思うが、確かに頭で考えると結構ヤバそうな作業であると思う。

しかも、目的の場所(不整脈発生部位)は左心房にあるので、静脈から右心房へ入ったカテーテルは、心臓の真ん中の壁(心房中隔)を突き破り、左心房へ到達し、肺静脈の周辺を焼灼するのである。

ちょっと生物の復習になるが、血液の出発点を心臓とすると、左心室から押し出された酸素たっぷりの血液は全身を回り、酸素が消費された状態で右心房へ戻ってくる。右心房から右心室へ移動した血液は、右心室から肺へと押し出され、肺で酸素を取り入れた動脈血となって、肺静脈から左心房へと戻ってくる。

手足の動脈は左心室へつながり、静脈は右心房へとつながっている。動脈から左心室へ入り、僧帽弁を遡り左心房へ到達するのは厳しいので、右心房から心房中隔に小さな穴を開けて左心房へと到達することになる。

で実際はというと、右大腿の付け根と右頸の血管からカテーテルを挿入された。局所麻酔のため何本刺されたのかは分からない。理屈の上では、静脈からだけのはずだが、センサーなどのため動脈へも刺しているかもしれない

前回も書いたように、鎮静剤が弱めにコントロールさえているらしく、眠れないままじっと時間が過ぎるのを待つような状態である。何か暇をつぶせるものがほしくなる。音楽とかビデオとか。もし3回目があったりしたら...無い無い。

手術の前半の時間はマッピングと言って、電気の通り道を調べて焼く位置を特定する作業なのだが、後半はいよいよ焼く作業となる。“焼く”と言っても、「ジュッ」という感じではない。60℃位なので、生焼けと言った感じである。軽い火傷が治った跡を繋いでいくような感じだと思う。

焼くためにカテーテル先端に高周波電流を流すのだが、その通電する時間のカウントが室内に響いている。通電しているときはちょっと胸が苦しい。これが何度も繰り返される。

作業中ちょっとざわついた雰囲気になった時間帯があった。気にはなったのだが、特にトラブルでもなかったようで手術は無事に終了した。止血のため大腿の付け根と首は圧迫された上でテープでがっちりと固定された。特に足はほとんど開かない。

カテ台からストレッチャーへ移される際に、例の「1,2,3!」ってのを初めて体験した。今まではほとんど眠ってしまっていたので自分で気が付くことは無かったのである。「結構重いぞ」と心配したが無事にストレッチャーに移動完了。

しばらく休んで、病室へ帰ったのだが、病室のベッドに移る際にちょっとトラブル。病室のベッドをストレッチャーよりちょっと低いくらいに調整して、滑り板を体の下に差し込んで、滑るようにして移動するはずなのだが、ベッド側で引っ張る役の看護師が、ろくに板を差し込みもせずに引っ張ろうとする。ベッドは右手側である。

このままでは落ちると思ったので、右手で板の遠い端をつかみ、体の下に押し入れる。ストレッチャー側の看護師は「あら入っていませんでした?」って。体制が整ったところで、せーの!

今度はまたベッド側の看護師が板だけひっぱる。板ごと移動するつもりらしいが、だったらきちんと乗っていないさっきは、確実に落ちていただろう。板もベッドの方へ移動しつつ、体も板の上を滑りつつ、なんとか無事にベッドにランディング。

ここから一晩、このちょっと頓珍漢な看護師の世話になることになるかと思うと、時間が早く過ぎることを願うばかりであった。安静中で起き上がれない状態で付き添いもいない患者に、「お食事食べました?」だぞ。もちろん通常食。消灯後は今までの看護師と違い、見回りもせず病室に入ることはない。それはそれでラッキーだが。

朝になり、日勤の看護師と交替になりホッとする。点滴と導尿のチューブは外れるが、止血のテープはもう一日らしい。ただ、体に変なチューブが繋がっていなくなるだけでだいぶ楽になる。起き上がれるので食事も出来るのだが、それほど食欲も無くあちこち残してしまう。申し訳ない。でも大盛りを出す栄養士もどうかしていると思う。

この日はとっても暇。動いていいのだが、足が太腿で固定されているので、テープが突っ張って何とも歩きにくい。パズルの本を開いてみるが、今回は子供が手術を待っている間に暇を潰すために買ったものなので、簡単でつまらない。テレビを見ながらウトウトして時間を過ごす。

次の朝、いよいよ担当医が止血用のテープを剥がしてくれる。かなり痛い。がさっぱりと解放された気分になる。ここで衝撃の事実が!例のカテーテル室がざわついたときに発覚したらしいが、どうも変わった心臓をしているらしい。機能的には全然問題ないということだが、まぁ簡単に言うとある種の奇形らしい。この年になってそんなこと言われても。前回はなぜ気が付かなかった?

迎えに来てもらう関係で、午後までのんびりとして、精算して退院となる。いろいろあったが、前回よりは確かに良くなったという実感があって気分がいい。

外に出てみると、少し風があるものの良い天気で清々しい。太陽の日差しが目に痛い。

だいぶ長くなってしまったが、この話はこのへんで。




スポンサーリンク



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。